最近の若者は本を読まない、なんて誰が言ったか知りませんが、世間でよく言われることとして聞かれます。
でも、実は本の消費量は伸びてるし、若い世代の方が本をよく読んでいるよ!ということを指摘している興味深いブログがありました。
《私の知らないスゴ本はあなたがきっと読んでいる》
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2007/06/post_1e56.html
から引用します。
| |
結論からいうと真逆で、最近の若者ほど本を読んでる。これは二重の意味でYESといえる。つまり、昔に比べて今の方が本は読まれている。さらに、オヤジ連中よりもむしろ、若者世代の方が本を読んでいる。
「最近の若者は本を読まない」はウソ。知らずに言う奴は、自分に都合のいい事実しか見てないだけ。知ってて言ってる奴には理由があって、1) 出版・マスゴミ業界の方便、2) 自分語りしたいオヤヂの2者が隠れている。 |
|
なるほどー。
こうデータをきちんと示されてしまうと、納得感はありますね。
ただ、「書籍読書率」からみると現時点においては、中高年の方が若い年代より本を読んでいるのは確かでしょうけれど、中高年が若いころの“昔の世代別の書籍読書率データ”がありませんので、
| |
むしろ、それより以前の爺婆世代の方が目も当てられない。本なんてロクに読んできていないことが分かる。戦後まもない頃は、本そのものが無かったから…とか、娯楽も少なかったし… という言い訳結構結構。 |
|
という指摘が正しいかどうかはわかりませんね。そのころの若い人の読書する割合が今よりも高かったかもしれませんので、後一歩という気もします。
と、思ったら、すかさず次の記事で補足されてました。
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2007/07/post_8e33.html
いやはや、さすがです。
『最近の若者は本を読まない』という俗説は間違っている、という氏の指摘はかなり的を得ているような感じがします。
と言う状況を理解した上で、さらに細かく解説している記事がありました。
少々長くなりますが、引用します。
《京都市吉祥院図書館》
http://www.kyotocitylib.jp/kisyoin/kantyou/no21.html
| |
以上のとおり,「学校読書調査」「読書世論調査」を見る限りにおいては,全体として国民の「活字離れ」が進行しているということはありません。 (中略) それでも,「活字離れ」を嘆く声は跡を絶ちません。 10月26日の毎日新聞で,津野海太郎氏は, 「1997年にはじまる出版ビジネスの右肩さがり傾向が定着するにつれて,本を読む者のかずも徐々に減りつづけてきた。10月になると毎日新聞の『読書世論調査』にせっして深いため息をつく。出版関係者の毎年のならいみたいなものだ。」 と嘆いています。 この「出版関係者」という言葉がキーワードに思えます。 (中略) また,本が売れないといわれていますが,2004年の書籍売り上げ高1兆23億円は,バブル景気絶頂期(1989年)の売り上げ高の1.3倍になる金額です。 一方,新刊点数を見ると,30年前(1975年)に22,727点だったものが,20年前(1985年)には31,221点,10年前(1995年)には58,310点,前年割れをおこした1997年には62,335点となっています。 30年前の3倍の新刊を出しています。 さらに不思議なことに,1997年以降も新刊点数は右肩上がりで増え続けています。 2004年の新刊点数は77,031点でした。 本が売れないといわれながら,前年割れをおこした1997年のさらに1.2倍の新刊を出しています。 (中略) これでは本の作者側から見ると,たまったものではないと思います。 単純に言って,自分の出した本が10年前の7割,20年前の半分しか売れなくなっているということですから。 自分たちの本が売れないのは図書館のせいだという,論が作者側から出されたことがありますが,それは間違いで,新刊をたくさん出しすぎているのが原因だといえます。 |
|
なるほどー。
要は、全体としては書籍は流通して増加しているのに、新刊が出すぎていて以前のように売れない(半分程度)から、“最近の人は・・・”と錯覚してしまうという理論ですね。何のことはない、出版側の言い訳ということでしょうか。こちらもものすごい説得力があります。
では、“最近は本が読まれない”ということは分かりましたが、“最近の若者は・・・”という文言からは、別の説教くさい臭いが感じとれます。
これについても、非常に的を得ている解説がありました。
《こどものもうそうblog》
http://blog.lv99.com/?eid=681152
| |
最近「最近の若者は本を読まない」と言ってる人がいるだろうか? 残念ながらわしはとんと見たことがない。実際にgoogleというもので検索してみると、 >「最近の若者は本を読まない」と言われて久しい。 >「最近の若者は本を読まない」といった風潮があるなか、携帯インターネットのテキスト文化から携帯小説を読み >少なくとも自分が子どもだった頃から「最近の若者は本を読まない」と言われつづけている気が とのきなみ、すべて「」つきの発言だ。 |
|
やはり、誰かが言っているわけではなく、通説として“活字離れと言われて久しい”とか“最近の若者は・・・と言われて久しい”と言った根拠はないけれど、なんとなくみんなそう思っている、という俗説で語られているのですね。
ただ、俗説にしても、なんか引っかかります。
そもそも、誰が言ったわけでもないのですが、その発言の真意は何なのか?
だいたい、相手が本を読んでるか読んでないか知っているわけではないのに、お説教たらしく“最近の若者は・・・”なんて発言の源は一体何なのでしょう?
| |
こういった人が、「最近の若者は本を読まない」と言っている場合は、それは、読書調査というデータで扱われている本と、本が違うんである。
「アウグスティヌス『告白』を読んだかね? マキァベッリ『君主論』を読んだかね? キルケゴール『死に至る病』を読んだかね? メルヴィル『白鯨』を読んだかね? ジョイス『ユリシーズ』 を読んだかね? ドストエフスキー『悪霊』 を読んだかね? 福沢諭吉『福翁自伝』を読んだかね? ウィトゲンシュタイン『哲学探究』を読んだかね? 坪内逍遥『小説神髄』を読んだかね? 西田幾多郎『善の研究』を読んだかね? 大西巨人『神聖喜劇』を読んだかね?」 上記であげている本は、「これを読まないものはサルである」と惹句のついている『必読書150』にあげられているものだ。 そういった本を読んでないという理由で「最近の若者は本を読まない」と言っているのである。だから、そう言われれば、膝に座った猫をなでながら「そうですね」と言うしかないんである。 |
|
膝に座った猫をなでながら・・・、という下りが、筆者の文才を感じさせますね。
そうかー。いわゆる“名書”以外は本でないと思っている人たちが発言しそうなわけですね。
そして、さらに奥深い意図が、同じ記事のコメント欄に。
| |
さらに、トドメとして、谷沢永一「人間通になる読書術」より引用します。
> 年配の人間が若い頃に必死になって読んだ「名著」と称される本を、 > 若者が少しも振り帰らず、したがって頑張って「名著」を読んだ先輩に > 知的な敬意を感じない、これはけしからんではないか、という気持ち > も「活字離れ」の言葉の裏側にのぞいています。 |
|
むむむ。
なるほど。尊敬しなさい、という意図が見え隠れするわけですね。
きっと、本に限らず、“最近の若い者は・・・”という枕詞に続く発言を聞いたときに、その言葉を受け取る側は意識的・無意識的どちらにも関わらず、上記のようなにおいを感じとるので、なんとなく反発したくなってしまうのでしょうね。
もしくは、引用する側の場合は、自分の価値観を押し付けたい・もしくは同じ思いを感じている人たちの共感を得たいがために、引用するのでしょうね。
さて、ここまでは全て前振りです。
なんだか、前振りが長くなってしまいましたが、今日の本題(まとめ)はコチラ。
『最近の若いもんは、と言われたときにどういう反応をするべきか?』
です。
価値観を押し付けられたときの4つの行動
|
ケースを限定しますが、“最近の若い者は・・・”と年配の方から説教がましく言われたとき、だいたい人は以下の行動をとるのではないのでしょうか。
◆反発・反論する
・何言ってんの?そんなことないよ?
・じゃぁ、あんたは読んでると言うのか?
→得られるもの:自己満足、自尊心を満たす
◆だまって聞き流す
・(ここは反論してもききゃぁしなさそうだ。黙っておこう)
→得られるもの:心の平穏
◆迎合する
・ですよねー。まったく仰るとおり。
・いやー、私もそう思っていたんですよ。
→得られるもの:相手に気に入ってもらえる(かもしれない)
どの選択にしても、得られるものは大したものではありません。
そこで、コーチングをしている私的には、以下の反応をオススメします。
◆深く聴く(まずは、反復するところから)
“なるほど、最近の若い者は本を読まないとおっしゃるのですね。”
“それは、どの本に、どんなことが書いてあったことを指しているのです?”
他の聴き方や言い方でも構いません。
年配の方に限らず、“最近の若いもんは・・・”という言い方でいわれた場合、これはあくまで枕詞に過ぎず、言いたいことが他にあります。
重要なのはそっちのほうで、枕詞に反発して本質を聞き逃してしまうのは得策ではありません。
反発するのは、その真意を聞いてからでも遅くありませんし、また、必要以上にへりくだる必要はありません。
自分にとってメリットがあるかもしれませんので、その可能性をすぐにつぶしてしまうのではなく、少なくとも相手の言いたいことを聴く、という姿勢は重要ではないでしょうか。
P.S.
オチがたいしたことない話ですいません。(^^;
え、私?
本はあまり読まないほうです。orz