少し前、表題のネタが7月11日付「タイムズ」紙に載ったという情報を受け、ネットではちょっとした盛り上がりを見せていました。
| |
ゲームに押されテレビ視聴率が低下
7月の第1週、日本のテレビ業界に大きな衝撃が走った。なんと1週間の間に放送された番組の中で、ゴールデン・タイムに視聴率9%を超えたものが1つもなかったのだという。業界関係者らは、これを任天堂の人気家庭用ゲーム機Wiiの影響によるものと分析している。
フジテレビの専務取締役は「日本のテレビ視聴率は常に上下しやすいが、このように著しい低下はあまり経験がない。テレビそのものに問題があるというよりは、Wiiなどの外的な要素に左右されている可能性が高い」と話す。親達は、ゴールデン・タイムにテレビを見るより、子供達と一緒にゲームを楽しみたいと考えているのかもしれない。
7月11日付 「タイムズ」紙 http://www.news-digest.co.uk/news/content/blogcategory/5/5/ |
|
しかし、これはガセネタ。(^^;
ゴールデンの視聴率は10%を切っていませんし、フジテレビの専務取締役がそのような発言をしたと言う報道は一切ありません。
じゃぁ、今の視聴率ってどのくらいなんだろう?と思ってビデオリサーチの視聴率を見てみたら、結構驚いてしまいました。
視聴率は下落傾向にあるも、緩やか
|
まず、視聴率はどのように推移しているのか見てみました。

グラフで見ると、1993年の8.9%がピークに年々下落しているのがわかります。
個人的にはテレビ朝日が低いのが意外でしたが、今はフジテレビが頑張っているのですね。
また、NHKは強いかというとそうでもなく、全体平均は7.0%で直近は最下位なんですね。
あと、傾向としては日本テレビの凋落が激しいような・・・
では、なんで最初のガセネタのような記事が出てきたのかな?と思い、先週、先々週の視聴率のTop10を見てみました。
| 2007年7月9日~7月15日 |
| 順位 |
番組タイトル |
放送局 |
放送日 |
視聴率 |
| 1 |
NHKニュースおはよう日本 |
NHK |
7月15日 |
21.90% |
| 2 |
ニュース(12:00) |
NHK |
7月15日 |
21.40% |
| 3 |
ニュース(18:00) |
NHK |
7月14日 |
21.20% |
| 4 |
NHKニュース7 |
NHK |
7月14日 |
20.20% |
| 5 |
どんど晴れ |
NHK |
7月11日 |
20.10% |
| 6 |
ファースト・キス |
フジテレビ |
7月9日 |
19.70% |
| 7 |
風林火山 |
NHK |
7月15日 |
19.30% |
| 8 |
ニュース・気象情報 |
NHK |
7月15日 |
19.30% |
| 9 |
首都圏ニュース・気象情報 |
NHK |
7月15日 |
19.20% |
| 9 |
土曜ワイド劇場・家政婦は見た! |
テレビ朝日 |
7月14日 |
18.40% |
|
|
|
|
|
| 2007年7月2日~7月8日 |
| 順位 |
番組タイトル |
放送局 |
放送日 |
視聴率 |
| 1 |
必殺仕事人2007 |
テレビ朝日 |
7月7日 |
20.90% |
| 2 |
どんど晴れ |
NHK |
7月4日 |
20.50% |
| 3 |
ニュース・気象情報 |
NHK |
7月8日 |
19.60% |
| 4 |
風林火山 |
NHK |
7月8日 |
19.50% |
| 5 |
首都圏ニュース845 |
NHK |
7月3日 |
18.90% |
| 6 |
映画「ダイ・ハード3」 |
TBS |
7月2日 |
18.80% |
| 7 |
中居正広の報道ステーション |
テレビ朝日 |
7月3日 |
18.00% |
| 8 |
スーパードラマフェスティバル |
フジテレビ |
7月2日 |
18.20% |
| 9 |
山田太郎ものがたり |
TBS |
7月6日 |
17.40% |
| 9 |
NHKニュース7 |
NHK |
7月7日 |
17.40% |
なんと!
すごいぞNHK!
先週なんかは、Top10のうち8つの番組を占めています。
その前の週は、かろうじでSMAP×SMAPが1位だったり映画「ダイ・ハード」が19.4%だったりと、NHKがここまで一人勝ち、という状態では無いようですが、、、
上記のガセネタにつられたネラー達が、視聴率が低下した民放に対して、
- もう芸能人に憧れるような時代ではないから
- 芸能人が雁首揃えてギャーギャー騒いでるのを見てもしょうがないから
- 24やCSIを見たあとに日本製の量産型恋愛ドラマを見るのは無理
- その他アメリカ製の良番組見たあとに日本製のバラエティとか見るのは無理
- 日本製ドラマを見るぐらいならアニメの方がまだ面白いから吉本とジャニーズばかりだから
などと批判していたのも、あながち的外れではないようです。
このデータから読み取れるのは、比較的若い世代をターゲットにしている民放が惨敗で、比較的高い年齢層をターゲットにしているNHKの一人勝ち。
これは、2005年のデータではありますが、以下の結果からも裏付けられます。

20~34才男性が一週間に2時間強しかテレビを見ないのに比べ、最もテレビをよく見ているのは、50才以上の人は週に6時間近くテレビを見ているんですね・・・
高年齢の世代に対応できていない民放
|
これらの結果から以下のような事が言えるのではないかと思います。
一方、NHKは変化に対応している、というよりも昔から高い世代をターゲットにしているので、結果として視聴率上位を獲得できただけ、と見るのが正しいような気がします。
また、全体への影響は小さいのですが、インターネット白書2006ではこんな記事も出ています。
《参考記事:ブログ読者はテレビを見ない傾向》
マーケティングの原則として、世の中の傾向を掴んだら、出来ることはその流れを加速することのみ。流れに逆らうことは出来ない、というものがあります。
これらの流れは、当然メディア各社は知っているので、媒体の多様化に対しては、
・ケータイでのテレビ視聴(ワンセグへの対応)
・番組のネット配信
→民放の実証実験
→NHKが08年度から過去1週間の番組をネット配信
などの対応策を行っています。
ただ、番組のネット配信に関しては、著作権の問題が大きいようですが、、
《著作権の“盾”を破れ――テレビ番組ネット配信の課題》
多様化への対応といった動きは加速していかないと、どんどん別媒体に食われていってしまうことでしょう。
また、忘れてはならないのがもう一つ。
今の民放は、若い世代が離れていっているのに、相変わらず若い世代向けの番組を作り続けているように思います。
その結果が、先週、先々週の民放惨敗に現れているのだと思いますが、この流れに逆らうのではなく、高い世代向けの番組編成を行ったほうが良いのではないかと思います。
まとめると、、、
|
メディア各社のやるべきことは2つ。
企業としては、多様化への対応の加速化。
TVという媒体としては、ターゲット世代のシフト。
マーケティングの原則に乗っ取ったこの2つの施策をきちんとできた企業が生き残っていくのではないかと思います。